2011年3月8日火曜日

撮影してきました。

結局天体導入スキルアップ講習会は中止になったのですが、夜半過ぎから晴れそうだったので観測所に行き写真を撮ってきました。透明度、シーイングはかなり悪かったですが、それなりに仕上がりました。

それと今回からフラット補正を真面目にしています。
薄明開始時刻頃に雲に向けてフラットを数枚撮影して、フラットからダークを引き、それを加算平均し、モノクロ変換したものをフラットとして使いました。

やり方はこれでいいのでしょうか?特にモノクロ変換…これはいいのでしょうか?科学的にはダメな気がしますが、実際問題として撮影対象と同じカラーバランスのフラットを作ることって出来ないのかなぁと思ったので、モノクロ変換してしまいました。

一応それっぽくなりましたが、ライトフレームがかぶっているのか、ちょっとフラットになりきってない感じです。

M81銀河

VISAC(VC200L) fl.1800mm with f/6.4レデューサ(fl.1800mm→fl.1278mm)
EOS kiss X2 ISO800 10min * 8枚
EM-200_AGS-1S_BLD赤道儀
FC-76ガイド鏡 + 3枚玉ショートバロー (ガイド鏡系合成焦点距離fl.1200mm)
SynGuiderによるオートガイド


M101 回転花火銀河

VISAC(VC200L) fl.1800mm with f/6.4レデューサ(fl.1800mm→fl.1278mm)
EOS kiss X2 ISO800 10min * 7枚
EM-200_AGS-1S_BLD赤道儀
FC-76ガイド鏡 + 3枚玉ショートバロー (ガイド鏡系合成焦点距離fl.1200mm)
SynGuiderによるオートガイド


それから写真をよく見ていただければ分かりますが、今回の撮影ではオートガイドを失敗しています。
よくみると星が赤経方向に伸びています。

理由はおそらくですが分かっています。
今回のオートガイドではガイド星は共に2等星を使いました。2等星はかなり明るいので、オートガイダーのCCDが飽和して、ディスプレイにはガイド星がかなり大きく写っていました。

そのため「これはあまり良くないかな」と思い、オートガイダーの露出時間をデフォルトの128msから32msまで短くしました。するとディスプレイ上の星像は小さくすっきりとし、最初はこれでガイド精度は上がるものと思いました。

ですが実際にオートガイドしてみると、どうにもわずかなガイドエラーを繰り返します。ガイド修正の入り方を見ると、赤経方向にかなり頻繁に、それも大体交互に補正が入っていました。

後半になって気づいたのですが、これはおそらくシーイングを拾ってハンチングしていたのではないかと思います。

というのもオートガイダーの露出時間を32msまで短くしたため、本来ならば時間で積分されて見えなくなるはずだった細かいシーイング成分を拾ってしまい、オートガイダーがそれに対して修正信号を出す。すると赤道儀はガイド補正を行うものの、そもそもガイド星のずれはシーイングによるものなので、ガイド補正によってむしろ本来追尾すべき星の重心とはずれてしまう。

そしてガイドエラーする、ということなのではないかと思うのです。

それならばシーイングゆらぎは赤緯方向にもあるのに、なぜ赤緯方向はガイドエラーしていないのか。
これは赤緯方向には赤道儀のバックラッシュがあるため、シーイングを拾って赤緯方向にガイド補正が入っても、その量がわずかでありバックラッシュの範囲内に収まるため、実際の追尾には影響しなかった。これだと思うのです。


兎にも角にも、今回のガイドエラーはおそらく"オートガイダーの露出時間が短すぎて、シーイングを拾った"ことだと思うのです。したがって次回からの対策としては、"オートガイダーの露出時間を余り小さくしすぎない"これでしょう。やはり最初に成功したときのように128ms辺りが良いのかもしれません。

次回撮影時に早速試してみようと思います。


オートガイド上級者の方々にとっては当たり前の事なのかもしれませんが、初心者の自分はまだまだ手探り状態です。なんだかすごく面白くなってきました。


P.S.
フラット画像に等光度曲線を表示させてみたところ、我が家のVISAC君の光軸は合っているようでした。焦点内外像を見ても問題なさそうなので、光軸は今のところ合っているようです。

それから一つ気づいたのが先日3月3日のM101と今回のM101の写りがそんなに違わないですね。
3月3日は透明度のすごい良い空で20min露出、今回は透明度が壊滅的な空で70min露出。写りがそんなに違わないことから、良い空で撮影する事がいかに大事かが分かりますね。

4 件のコメント:

  1. 同じような症状は私もありました。RAW現像前のベイヤー配列の段階でフラット補正を行うと解決したので、面倒ですが私はこのやり方でやってます。
    オートガイダー難しそうですね。すごくいま欲しいです。オートガイダーで試行錯誤しながら撮影するの楽しそうですね。

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  2. >>きっしーさん

    いつもコメントありがとうございます。

    先日晴れたのでまたM101を撮影してきました。スカっと晴れてくれたので、10min * 19枚 程度使えるコマがあり、今画像処理と絶賛格闘中です。

    今まではダメだと分かっていながらもRaw現像をしたあとで、ダーク減算、フラット補正をしていました。いい加減な処理です。今回は素材がいいものが撮れたのと、露出時間が十分にあるので、しっかりとした処理でいい写真にすべく、ベイヤ配列の段階で真面目にやろうとしています。

    慣れないことをしているので、分からないこと間違えていることも多く、だいぶ手間取っています。処理が終わり次第画像をUPしますので、よければ見てやってください。


    >>オートガイダー
    オートガイダーですが、やっぱり便利です。眼視ガイドだと、どうしても疲れで2時間程度が限界ですが、機械は疲れ知らずですから。

    そうはいっても星が流れないように撮影するために、これからまだまだパラメータやセッティングを煮詰めていかなければなりません。

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  3. たいやきさんへ
     こんにちは。フラットは難しいですね。私は面倒なので液晶で露出を変えて20枚づつ、100枚位とって、RGBごとにあわせてRAPでフラット作成するようにしてからは、まあまあです。ダーク、フラット補正をRAPで、DNGに戻してPSで現像してSIでコンポは面倒なのですが赤い星雲を浮き上がらせるにはフラットの重要性はダークに勝るとかんじてきています。

    ところで、地震は平気ですか。私は前日に山元町でアンタレスを撮っていたのですが今ひとつだったので当日南三陸に下見に行く最中にやられました。天体に使っていたのは最近は近いので山元、福島では新地だったので全滅状態でショックです。

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  4. いつもコメントありがとうございます。

    フラットは色々と試してみるつもりなので、詳しい情報ありがとうございます。

    地震発生当時は私は車の中で、路地裏で停車して友人を待っていました。そこに緊急地震速報が来ましたが対応する時間はなかったです。車横のコンクリートブロック壁がしなって倒れてきそうで怖かったので、必死の思いでエンジンをかけて車を道路の真ん中に移動させ、ブレーキを踏みしめ、ハンドルを握り締め耐えていました。ですが自分は怪我もなく無事で、家も片付ければ済むレベルだったので大丈夫でした。周りの友人や先生も皆無事だったのが何よりです。

    それにしてもとんでもない揺れかたでしたね。。。

    >>当日南三陸に下見に行く最中にやられました。
    そちらも車を運転なさっていたのですね、とにかく無事だったようで何よりです。南三陸ということでしたら、もしも地震が夜起きていたら、お互いに生きてはいなかったかもしれませんね…。今生きていることの貴重さを強く噛みしめています。

    私も天体写真を取りに行くのは宮城県では川崎町、蔵王、牛橋公園、牡鹿半島、神割崎。福島県では新地町、浄土平。このあたりだったのですが、、、最近は新地町や神割崎を多用していたので、壊滅状態と聞いて呆然としました。あの海岸、家、街並みはもうないのですね。。。ご冥福をお祈りします。

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